人気イラストレーターに聞く「横峰沙弥香さん、ぶっちゃけ子育てどうしてる?」 ~育児は信頼関係だ!~

子育て中のママに人気のイラストレーター、横峰沙弥香さんご一家がOYACO nohana(オヤコノハナ)ららぽーと立川立飛店にご来店

子育て中のママに人気のイラストレーター、横峰沙弥香さん
長男まめちゃん4歳、長女ゆめこちゃん2歳との日々をイラストとともにつづったInstagram(@sayakayokomine)は多くのママの共感を呼び、いまやフォロワーは約30万人。
6月26日には、関根勤さん、坂本美雨さん、河相我聞さんなど個性的な9人のパパ、ママの育児についてインタビューした新刊「ぶっちゃけ子育てどうしてる? 横峰は見た!あの人の仕事と育児」も発売されたばかりです。

そんな横峰さん自身の育児とは、ストレス解消法とは?
今回は「ぶっちゃけ」語ってもらいました。
育児のリアルな話はInstagramそのままのユニークさ!でも、その「育児観」はまぶしいほどに「まっすぐ」でした。

お話を伺った場所は6月にららぽーと立川立飛にオープンしたばかりの「OYACO nohana(オヤコノハナ)」
フォトブースで撮影ができたり、幼児や小学生でも楽しめるワークショップに参加したり、親子で楽しめるコミュニケーションスペースです。

横峰家ご一家「OYACO nohana(オヤコノハナ)」にご来店!さっそく遊び始めるまめちゃんとゆめこちゃん
横峰家ご一家「OYACO nohana(オヤコノハナ)」にご来店!さっそく遊び始めるまめちゃんとゆめこちゃん

ふとしたきっかけで始めたInstagramが育児にも役立った

――横峰さんといえば、まめちゃん、ゆめこちゃんとの日々をつづった「絵日記」Instagramが人気ですが、改めて、始めたきっかけについて教えていただけますか?

横峰さん: Instagramはまめの出産で里帰りしていたときに始めたのですが、その頃の私は毎日おっぱいあげているか寝かせているか、その隙に自分が寝るかしかなくて、その間に分刻みで記録をつけていたんです。
「右は何分飲んだ、左は何分飲んだ、次は左から始める」とか。
真っ黒になるくらいまで文字で書いていたんですけど、まめが乳児脂漏性湿疹になったとき、ことあるごとに「乳児脂漏性湿疹」って言葉を書かなきゃいけなくなって「画数多いわ!」ってしんどくなってしまって(笑)

それで、「ハゲた!」って絵を描いてみたら(注:乳児脂漏性湿疹は時に髪の毛が抜けてしまうこともあります)夫にもすごく伝わりやすかったので「これいいじゃん」と思って。
それから一日一トピックで絵日記を描いて残すことにして、せっかくならInstagramにもアップしよう、と思ったのが始まりです。
夫にもいちいち電話で報告するより「ここにアップしてるので見てください」という風にしたらいつでも見られますしね。
そうしていると母もInstagramを始めて、今や母は母でまめの写真を毎日アップしていて、ちょっとした人気アカウントになっています。

――何気なく始めたInstagramがご家族での成長の共有にもなっているのですね!フォロワーさんとの情報交換などもされているのでしょうか。

横峰さん: コメントで役に立つことを教えてもらうこともあります!実はInstagramへのコメントのおかげでまめはトイトレが完了したんです。
うんちがどうしてもできなくて、何がいけないのかなって書いていたら、「足をふんばれると違いますよ、踏み台を試してみたらどうですか」って介護職の方からアドバイスをもらって。
そしたら、踏み台を買った瞬間にうんちができたんです。
育児中の方かと思いきや全く違う業種の方から、っていうのが面白いですよね。
「Instagramやっとくもんだな」と思った体験でした。

横峰さんの一日のスケジュール。育児で辛い瞬間とは?

――今回のテーマは「横峰さん、ぶっちゃけ子育てどうしてる?」なのですが、まずは横峰さんは一日どんな風に過ごされているのか、スケジュールを教えていただけますか。

横峰沙弥香さんの一日のスケジュール

――ご夫婦で役割分担は決められていますか?

横峰さん: バランス、役割は決めずに柔軟にやっています。
家事は私が99.5%担当。夜は基本的に私のワンオペ育児なんですけど、夫がいるときに限っては、育児は100%パパ担当!
眠くてもきつくても飲んで帰ってきても、子どもはパパにお任せ、っていう分担です。

――スケジュールを見ていて思いますが、お子さんがお二人で、仕事もしながら……という一日はやはり忙しいですよね。育児・家事でストレスがたまるのはどんなときですか?

横峰さん: 家事は好きなので、ストレスはないですね。
育児では、私、子どもの泣き声がとてもメンタルに来てしまうんですよ。
「泣き声がストレス」って母親としては言いづらいことなんですけど、泣かれるとすごくストレスになっちゃうので、できるだけ笑っててほしくて。
子どもって、何で泣いてるの?おなかすいた?遊びたいの?だっこ?って全部試してもアウトのときって、あるじゃないですか。
そういうとき、辛くて辛くて、ライフがゼロになります。

―――わかります。ライフがゼロになったとき、横峰さんはどうしているんですか?

横峰さん: 「ちょっとだけ待っててね」って言って、iPhoneだけ持って別室やトイレにこもって、イヤホンをつけて川のせせらぎを聞きます(笑)。
その間Skypeを母とつないで、ばあばに二人を見ててもらうんですよ。
「なにかまずいことがあれば私に電話をくれ。私はiPhoneで川のせせらぎを聞いてるから」って言って。
何か危ないことがあれば母がiPhoneを鳴らしてくれます。

横峰沙弥香さんのライフがゼロになったら、ばあばに助けてもらうことも
ママのライフがゼロになったら、ばあばに助けてもらうことも

横峰さん: 運が悪ければ30秒でも事故は起こってしまうので一応、Skypeで安全管理はしておいて。
実際に、川のせせらぎを聞いている最中に「ソファーの背に登ってるよ」って母から呼び出されたこともあるんですよ。
はっ!って思ってトイレから飛び出しました。

―――今の時代ならではの方法ですよね。

横峰さん: 遠隔育児でも、「今だけ見てて」って誰かに投げる方法はいいと思います。
ずっと話すわけじゃなくても、母とのSkypeをつけっぱなしにして過ごすこともありますね。
一時期、まめは私に腹を立てたときにパソコンあけて「ばあば!ばあば!」って叫んでいたことがありました。
ばあばはそこにいると思っているから(笑)でも、まめもゆめこもじいじとばあばの顔を忘れないですし、じいじばあばも喜びます。

マインドコントロールがまさかの奏功!育児で一番辛かった時期って?

――これまでの子育て期間で、「ぶっちゃけ、この頃は育児が辛かった~」っていう時期はありますか?

横峰さん: 最初は、夫がぜんぜん協力的じゃなかったんですよ。
まめが半年くらいまで、週3で飲んで帰ってくるし、木金土は朝まで帰ってこない。
私も仕事が少しずつ来るようになった頃で収入がまだ少なかったので、夫一人にかかっている分、夫もプレッシャーが大きかったみたいです。
「どうせ遅くなるんだから1,2時間飲んで帰ってきてもいいじゃない」って夫は言うんですけど、私は「その1,2時間がしんどいんだよ!」ってすごくケンカして。
だから、その時期は「乗り越えられるかな」って心配でした。

―――それは時間が解決したという感じでしょうか?ご夫婦で話し合われましたか?

横峰さん: すごく腹が立つとまめの前で夫のことを悪く言いたくなるんですけど、それは絶対だめだって思っていたんですね。
なので、ずっとまめに「パパってかっこいいよね」「パパってけっこう料理上手なんだよ」「ママはパパの顔が好きなんだよ」って夫のいいところを一生懸命思い出して思いつく限り語っていました。

――再現しているご様子、目が死んでいる感じですけど…?

横峰さん: もはや修行ですよね、もうマインドコントロールだと思います(笑)。
でも、それを根気よく続けていたらまさかの展開が訪れて!まめがすごくパパを好きになったんです。
もう、まめにとってパパは、憧れの男で世界で一番かっこいいんです。
そこからですよね。まめ自身が自分の意志でパパを崇め奉るようになって、パパパパって言うようになってから、夫はまめのことがすごく可愛くなったみたいです。

横峰沙弥香さんご一家、長男・まめちゃんにとって、パパは世界一かっこいい男
まめちゃんにとって、パパは世界一かっこいい男

――まさかの展開!

横峰さん: 私もまさかこんな方向に行くとはまったく予想してなかったんです。
でも、子どもが求めればパパは応えざるを得ないわけじゃないですか。
「ママじゃなくてパパとお風呂入りたい!」って言われたら夫も「おう入る入る!」っていう風になって。ナイス!って。

まめがパパ好きなので、ゆめこも真似してそうなりました。
私は特に考えなしに、自分が辛くてパパのいいところを無理やり言い聞かせていただけなので(笑)、全員に当てはまるかは分からないですけど。
でもやってみる価値はある方法だと思います!

9人の体験談を集めた新刊「ぶっちゃけ子育てどうしてる?」

――6月26日には新刊「ぶっちゃけ子育てどうしてる?」も出版されました。関根勤さん、坂本美雨さん、河相我聞さん、友利新さんなど実に多彩な方々の育児の体験談を集めた本ですよね。今回の本を作られたきっかけを聞かせていただけますか。

横峰さん: 育児って正解のないことだから、正解・不正解を考えるよりもみんなどうやってるの?って体験談を集めたほうがいいと思って、こんな形でまとまったという感じです。

タレント、シェフ、経営者など、いろんな職業・いろんな環境の方に取材させていただきました。
友達同士で「どうしてる?」って相談し合うと、だいたい似たような環境の場合「あの人はうまくできているのに自分ができていない」ってへこむじゃないですか。
なので、今回はできるだけ年代も職種も環境も違う方々にお願いして、お話を聞きました。
突拍子もないくらい、私と違う環境の方がいいなと思って。

―――多くのインタビューをされた中で、特に印象に残った方はいらっしゃいますか?

横峰さん: MARCOさんですね。世界中で写真を撮っているフォトグラファーさんですが、いきなり「子どもを連れてタスマニアに行った」って聞いたときには「正気か?」と思って(笑)。
ぶっとんでますよね。でも「どうせ子連れの旅は大変なんだから、自分の好きなところに行く!」っていう選択がいいなと思ったんです。
家族連れって、子どもに合わせてテーマパークとかばっかり行っちゃいがちじゃないですか。
でも結局、子連れで動くってどこでも大変。
「どうせ大変なんだったらタスマニアでもいいじゃん!」っていう考え方が新鮮でした。

――どうせ大変ならタスマニア!斬新というか、なかなか持てない発想ですよね。

横峰さん: 「子どものほうが意外と順応できちゃって、自分の方がキューバのごはんがまずくてムリだった!」っていう体験を話してくださいました。
「子どもは本来自分で楽しめるだけの力を持ってるから、まず親自身が楽しんでないとだめだ」っていうのが私にはすごく響いて。
親がにこにこしてないと子どもも楽しくないですよね。
それはよく言われることですが、MARCOさんはその究極だな、と。

――なるほど、面白いです。では、どなたかの体験談で、実際にご自身の育児に取り入れたことはありますか?

横峰さん: そうですね、関根勤さんがお嬢さんの麻里さんを育てられたときの体験として「ひたすら遊び倒す」っておっしゃっていたので、私も取材を終えてから、ものすごく遊ぶようにしてみました。
関根さんみたいに全力で遊び倒すだけの体力や機転がないので、とりあえずコミュニケーションを取ることを心がけています。

OYACO nohana(オヤコノハナ)のワークショップで工作中の横峰沙弥香さんと、長男・まめちゃんと長女・ゆめこちゃん
横峰家では、夕食後が「遊び倒す時間」。木曜は工作教室、土曜お料理教室を開催中!

――そうすることでまめちゃん、ゆめこちゃんに変化はありましたか?

横峰さん: よく話しかけてくれるようになりました!
これは河相我聞さんもおっしゃっていたのですが「会話って、子どもが話しかけてきたことをどれだけ汲み取って一緒に考えてあげられるかが大事」と。
「子どもと会話」って考えると、つい「今日は何したの?どうだったの?」って質問攻めにしちゃうことってないですか?
それもすごく大事なことですけど、これまでそんな「今日の報告会」だけをやって子どもと会話できてるって思っちゃってたんですね。でもそれは少し違う、と。

それ以来、たとえ天ぷらを揚げているときだったとしても、子どもが話しかけてきたら「わかった今から聞くから、そのかわり天ぷらは30分くらい遅くなるよ」ってとりあえず聞くようにしました。

子どもが話しかけてきたら、とにかく聞くようにしている横峰沙弥香さん
子どもが話しかけてきたら、とにかく聞く!

子どもと信頼感を築くのって、難しいじゃないですか。
どうやってそれを示してあげたらいいのかなと迷っていたんですが、関根さんや河相さんにヒントをもらって、やってみているという感じです。

横峰家の子育て論は夫婦共通「約束を守る」

――では最後に、横峰家の子育てで「これだけはやる」って決めていることや、譲れないことってありますか?

横峰さん: 夫婦共通で決めていることがひとつだけあって「約束は守る、絶対!」ですね。
小さなことでも、子どもとの約束はとにかく守る!

これは、まめが小さいときにお世話になってた助産師さんからのアドバイスが原点なんです。
たとえば、お菓子を欲しがって子どもが泣いたとき「帰ってきたらあげるから」って言っても、帰ってきたときに子どもが忘れていたり、他のことに気を取られていたりすると流してしまいますよね。
でも「それは子どもに思い出させてでもあげる。
朝ママと約束したお菓子だよ、あのとき我慢してくれてありがとうって。
そこで初めて、忘れてたのにくれた、絶対ママは約束を守ってくれるんだって、信頼が積み重なっていくから」って言われたんです。

夫は言ってしまったが最後、まめとの約束を守るために仕事を休んで大江戸温泉に連れて行ったこともあります(笑)

――仕事を休んでまで守るって、凄い!でも実際、難しいときもありませんか……?

横峰さん: それができるっていう点では、今フリーで仕事をしていて良かったなと思います。
家庭ごとに強みや弱点がそれぞれあると思うのですが、うちはフリーなのが強みなので生かしていこうと。
同時にフリーなので、休めば休むほど収入がなくなっちゃうっていうところはあるんですけど。

約束を守るって最初は本当に大変だったのですが、決めた以上「約束したら絶対守る!!」って気合いを入れてやりました、どんな小さいことでも。
買ってあげるって言ってしまったらぜったい買って、作ってあげるっていってしまったらぜったい作りました。
正直、しんどかったです(笑)

でもやっぱり後になって結果がでてきたので「やってみるもんだな」と思いました。
話が通じるんですよ。「ママはちょっと今こういう事情でこれができないから、必ずあとでやるからそこで一人で遊べる?」って言ったら、絶対あとでやってくれるってまめは思ってるから、わかった!って遊んでいられる。
そういうやりとりができたときには、約束を守ってきてよかったなって思います。

OYACO nohana(オヤコノハナ)のワークショップで長男・まめちゃんと長女・ゆめこちゃんのお名前ガーランドを作成する横峰沙弥香さん
子どもと約束したことはどんなに小さなことでも守る、が横峰家のルール

――ご夫婦で「約束を守る」って一致しているのもいいですね。

横峰さん: そうですね、そこにズレがなくてよかったなって思います。
ママは約束を守るけどパパは平気で破る、とかだと意味がないと思うので。
育児は本当に「人と人との信頼関係を築く」ということだと思います。
「あの人たち私から出てきたし」って分身の感覚なので、つい自分でやりたいようにやろうと思ってしまうんですけど、息子も娘も人ですからね。
生まれたときから意志を持っていること、忘れちゃいけないなと思います。

――最後はすごくまっすぐな育児論を、ありがとうございました。ユニークさいっぱいの、育児を笑いに昇華してくれる横峰さんのInstagram、これからも楽しみにしています!

横峰さん: Instagramもある意味マインドコントロールかもしれません。
「いい母親ぶって」って言われることも実はあるんですけど、いい母親ぶるって大事ですよ!
「ふりをしてどんどんホンモノに近づいていく」じゃないですけど、自分のなりたいように振る舞うって大切です。
それこそ、「パパかっこいいよね」って言い聞かせていたら子どもがパパを好きになったみたいに。
マインドコントロール、大事です!(笑)

(文)下川尚子
(撮影)甲野菜穂美